みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
前回下水道の話しを長々とさせてもらいましたが、今回もその続きです。
お店の前の道路が現在「下水道埋設」の工事をしていますという話しからの、高浜市は下水道普及率が低いということを書きました。
なぜ下水道を整備しなければいけないのか?ということも書きました。
それでは前回の終わりの書いた、なぜ下水道が「お店作り」と関係あるのか?
下水道が整備されていないところは「浄化槽」を設置するのが義務づけられていることはご存知ですか?
ここでちょっと「浄化槽」について少し。
普通の家庭からは、台所やお風呂などから出る「生活排水」とトイレから出る「汚水」があり、これらを各家庭で処理し、きれいな水にして放流するための施設が「浄化槽」です。
平成13年から浄化槽法が改正されていて、法律上では、「合併浄化槽」のみが「浄化槽」とされています。
「合併浄化槽」とは生活排水とトイレの汚水を両方浄化するもので、「単独浄化槽」はトイレの汚水のみを処理するものです。
高浜市の中のほとんどの家庭は水洗トイレです。
水洗トイレの設置には「単独浄化槽」が必要です。
平成13年以降に建てられた家は「合併浄化槽」の設置が義務づけられています。
ということはそれ以前に建てられたほとんどの家は「単独浄化槽」ということになります。
生活排水はそのまま流されているということになります。
なので、環境保全のためにも、合併浄化槽に設置もしくは下水道の整備が必要だと思います。
現在建てられている家は、下水道が整備されていない地区においては、浄化槽を設置しなければいけません。
それは店舗においても同じです。
しかも飲食店においては家庭用浄化槽に比べて、ものすごく大きなものを設置しなければなりません。
普通の家庭であればほとんどが「5人槽〜10人槽」という大きさの浄化槽が設置されます。
しかし飲食店においては、使用人数が多く、汚水や排水に汚れが多いため、より処理能力の大きな浄化槽が必要とされます。
もちろん当店においてもそうです。
ちなみに当店では「50人槽」を設置しています。
これはどういうことかと言うと、簡単にいえば、
「費用がものすごくかかる」
ということです。
しかし仕方ありません。
とは言うものの、これは下水道が整備されていれば「いらない費用」なんです。
何となく、
「浄化槽って何で必要なんだ?」
と思っていました。
それまでそれほど考えたこともなかったです。
「これは飲食店開業の妨げになるのではないか?」
とも思いました。
初期投資がかかり過ぎます。
運転資金に回したらどれほど楽かわかりません。
となると、下水道の整備されていないところには飲食店は開業しにくくなってしまいます。
市内の飲食店建設の際、下水道整備まで建設を延期したという話しを聞きました。
大型店になるほど莫大な費用がかかります。
設置するだけではなく維持費もかかります。
毎月の点検、1年に1回の検査、2年に1回の清掃、ポンプのモーターの故障もあったりします。
家庭の浄化槽設置においては補助金が出ます。
しかし店舗においてはそれは適応されません。
僕は市長に「店舗にも適応して欲しい」と直接嘆願書を出しました。
しかし答えは「NO」でした。
「NO」ではありましたが、市長直筆の回答をいただいたことは、非常に嬉しく思いました。
願いは通りませんでしたが、真摯に受け止めてくれた市長には「信頼感」を持ちました。
と少し長くなりましたが、下水道整備はもう少し早くから行って欲しかったというのが、一市民としての意見です。
そしてこの経験のおかげで、あまり興味の持たれない下水道について興味を抱くことになりました。
工事関係のみなさん、大変な作業ですがよろしくお願いします。