みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
「人工肉使った料理ってありますか?」
こんな電話がかかってきました。
前に人工肉、大豆ミートの話題をブログに書いていました。
その記事を見ていたので、もしかすると人工肉の料理を作っているかもしれないと思って連絡をくれました。
『人工肉』と言うと聞こえは悪いですが、大豆のタンパク質から作った代用肉です。
興味があったので食べてみたかったようです。
残念ながら、まだサリューでは扱っていません。
その電話で頭に浮かんだ言葉があります。
「ヴィーガン」です。
その言葉を知ったのは、1年半くらい前です。
新聞で取り上げられていました。
「VEGANヴィーガン?」
なんだそれ?です。
すでに欧米ではよく知られている言葉で、20世紀半ばに生まれた呼称だそうです。
肉や魚、さらには卵や乳製品も使わない。
日本語で言うところの「完全菜食」です。
「ベジタリアンのこと?」
「何が違うの?」
「なんか宗教がかってないの?」
「面倒くさそう・・・」
『ベジタリアン』とは、肉を避け野菜、果物、穀物、豆などを食べる人々を総称した言葉です。
ベジタリアンというと、
「野菜しか食べない」
というイメージですが、実は違って、魚はO.Kの「ペスコベジタリアン」、乳製品は認める「ラクトベジタリアン」など細分化されています。
「な〜んだ、ベジタリアンってユルいなあ・・・」
と思いませんか?
詳しくはわかりませんが、もともとは野菜だけで、と思っていたけど、
「やっぱバターやチーズも食べたいなあ・・・。じゃあ乳製品はO.Kにしちゃえば!」
みたいな感じでユルく、広く浸透していったのではないかと思います。(勝手な推測です。)
対して『ヴィーガン』は動物性の物を全て避ける、という原点に戻った考え方です。
「日本なんか精進料理が昔からあるよ!」
と言いたいですよね。
この『ヴィーガン』ですが、もちろん
「健康のため」
「体調不良がきっかけで、食事を見直そうと思い」
などなど、どちらかというと「健康」の観点から始めた人が多いんじゃないかと思いますよね。
理由は色々あると思うんですが、どうやらこの『ヴィーガン』はそれだけではなく、もっと大きな現代社会の問題が背景にあるようなんです。
それはズバリ「環境問題」です。
「地球温暖化」が言われて久しいですが、最近はその大きな原因の1つが「畜産業」にあることがとりあげられて、大きな関心を集めています。
「自分にも何かできないか」
そんなことを思い抱く人々が現代の畜産業に疑問を持ち、ヴィーガンの存在を知り、興味を持ち始めているようです。
森林を伐採して、工場のようなところで肥育された牛や豚を飼育して、大量生産する。
そういった家畜が出す大量のメタンガスや、家畜を育てるための水や飼料が多くの環境汚染を引き起こす原因にもなっています。
そんな食肉を減らすことが温室効果ガスの減少に大きく貢献するという研究が発表されています。
実は日本でも内閣府の職員食堂では、2017年から週に何回かヴィーガン定食を提供し始めていたりしています。
アメリカでは2020年アカデミー賞授賞式で振る舞われた昼食メニューが、なんと100%ヴィーガン料理だったんです!
それで一気に注目されるようになりました。
有名ハリウッド俳優達にも、ヴィーガンはかなり浸透しているようです。
これからさらに食肉の需要が高まると予想される中、あの有名なビルゲイツは、
「本物の畜肉と区別がつかないくらい美味しい植物性ミートを開発した」
と伝えています。
これからもっと「ヴィーガン」が注目されてくると思いますよ。
地元野菜を使ったヴィーガン料理を今から考えておかなくちゃ!