みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
むか〜しからあるケーキのひとつが「フルーツケーキ」です。
老舗ホテルから外資系ホテル、老舗洋菓子店から新しくできたパティスリー、大きな洋菓子店から小さな個人店まで、各店舗で多種多様な「フルールケーキ」が作られています。
色々なドライフルーツをブランデーなどに漬け混んだりして、それぞれの店舗で工夫を凝らしています。
「フルーツケーキ」と言うとなんだか古くさいイメージがしますが、今はとてもオシャレなフルーツケーキもありますよ。
でも昔ながらの物が、なんだか安心していいですよね。(僕だけかなあ・・・)
赤や緑のドレンチェリー(さくらんぼの砂糖漬け)やアンゼリカ(セイヨウトウキを蜜煮して乾燥させたもの)の入っている物は、なんともレトロな感じでいいですよね。
若い時は生クリームをたくさん使った物や、どちらかというと生菓子系のものを好みましたが、だんだん焼き菓子の美味しさに気付き、今ではフルーツケーキのようなパウンドケーキや焼き菓子の方が好きになってきました。
「フルーツケーキ」の思い出と言うと、ホテル時代に作っていたフルーツケーキが印象に残っています。
たくさんのドライフルールやナッツをお酒に漬け込んでおきます。
主に婚礼の引き出物として作っていたので、予約が入ると何本も焼き上げていました。
パティスリー部門がなかったので、お菓子も僕たちコックさんが作っていました。
1本のフルーツケーキを20カットくらいにして、1カットずつ包んでいきます。
だから僕たちはこのフルーツケーキを、
「金の延べ棒」
と呼んでいました。
1カット5〜600円はしていましたからね。
僕も1年間お菓子づくりのパティシエとして働きました。
と言っても、調理場の端っこで一人で仕事するんですけどね。
誰にも教えられず一人で・・・
お菓子やデザート、ジュースやアイスクリームなどのオーダーを一人で責任を持ってやらなければいけません。
そのおかげで、今では基本的な物ですが色々なお菓子も作れるようになりました。
というかみなさん僕がケーキを作っていると言うと驚かれますが、洋食の料理人のほとんどが基本的なケーキはできますよ。
僕たちからすると、それが当たり前なんですがね・・・
でもその方が驚かれていいかもしれません。
「え〜、お菓子も作れるんですか!」って・・・
となんだか話しがそれてしまいましたので、元に戻します。
何年か前に「フルーツケーキ」をクリスマスに作りました。
その時買っていただいた、焼き菓子の大好きなお客様からフルーツケーキのリクエストをいただきました。
「手が空いたときでいいので、またフルーツケーキを作ってくれませんか。」
いつもケーキやクッキーなどを買っていただいていますし、いつもお店を利用していただいています。
なるべくリクエストに応えられるようにと思い、先日フルーツケーキを焼きました。
レーズン、プルーン、パイン、ナツメ、イチジク、イチゴなどのドライフルーツをラム酒に漬け込んでおきます。
焼き上がってからも、アルコールを飛ばしたラム酒のシロップを染み込ませます。
あとはいたって普通のパウンドケーキの作り方です。
それほど難しくないですよ。
でもフルーツの準備が大変かなあ・・・
焼き上がってから数日たった方が、全体がなじんで美味しくなります。
みなさんも好きなドライフルールやナッツを入れて作ってみませんか?
バターの香りとコクがフルーツの色々な味と重なり、ラム酒の香りがほんのりと・・・
コーヒーや紅茶と一緒にどうですか。
お店でも食べられますよ。(テイクアウトも可)