みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
「和牛」といえば「霜降り肉」というくらい、赤身にサシが入ったお肉を想像しますね。
その「霜降り肉」がどうやら転換期を迎えているかもしれないというんです。
畜産農家では、牛の流産や発育不良を「事故」と呼ぶそうです。
その割合は2017年時点で5・2%。
その割合は上昇しているそうです。
原因は多岐にわたると考えられていますが、畜産業界は
「遺伝子の均一化」、つまり「過度な近親交配」が原因と考えられています。
「霜降り至上主義」からきていますね。
A5ランクに相当する和牛の割合は95年時点で全体の14%だったのが、2021年には、なんと46%に上昇しているんです!
そんな霜降り肉を生み出すために、生産者は人工授精に「サシ」の入りやすい特定のオスに集中してしまいます。
農林水産省によると、18年度に取引された仔牛31万頭の3割超は、わずか5頭のオス牛精子から生まれているんです。
その他上位15頭のオス牛で、仔牛の6割を占めているんです。
こうした特定の遺伝子に頼ることは危険といわれています。
サシの入りにくい遺伝子は淘汰されてしまいます。
しかし、多様性を残し、品種改良の余地を残しておかないと、市場や環境の変化に対応できなくなる心配が出てくるそうです。
19世紀にアイルランドで主食のジャガイモが感染症による大凶作に見舞われることがあったそうです。
この原因は、ジャガイモの遺伝子が一様だったため、感染症に対応できる個体がなかったためといわれています。
この「じゃがいも飢饉」と呼ばれる出来事により、100万人以上が死亡したとされているんです。
日本国内では、健康意識の高まりから「赤身肉」人気が高まっています。
このように、消費者が「サシ」以外の牛肉の要素に価値を見いだし、そこに対価を支払うようになれば、生産者の間でも消費者に対する戦略も多様化するのではないかと考えられています。
「WAGYU」ブランドを守るために、今後どのような戦略をとっていくのか?どのように牛肉は変化していくのかが気になります。
しかし、牛肉が高すぎる・・・(汗)