みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
卵の品薄と値上げが話題になっています。
家庭では欠かせない食材だけに気になります。
そんな日本の鶏卵は輸出もされています。
現在の日本産鶏卵は、なんと全体の約93%が香港に輸出されています。
昨年9月だけで 3007トン、10月には3865トンが輸出されています。
一昨年の10月は2143トンだったことから、毎月着実に輸出量が増えている成長市場となっています。
日本産鶏卵と外国産の一番の違いは流通体制なんです。
日本では、生産から消費者の手に渡るまで、厳しく監視・管理されています。
卵を洗浄、乾燥、検査、計量、パック詰めを一貫して行うことで品質を維持しています。
その一方、家畜にとってストレスや苦痛が少ない飼育環境を目指す 「アニマルウェルフェア」が拡大し、「香港」という世界とつながりがある地域であることから、欧米の考え方の浸透も早く、「ケージフリー(放し飼い)」の鶏卵を使うホテルなども多いようです。
「日本の卵は生食で食べられる」という認知が広がっているようですが、これはきちんと保管されていた場合のことです。
日本国内での卵の賞味期限は、25℃で保管された場合、生で食べられる期間は「2週間」に設定されています。
10℃以下で保管した場合、産卵から約60日間、生で食ベられることになっていますが、これは厳密な温度管理がなされている場合に限ります。
海外へ輸出される鶏卵は、冷蔵コンテナで低温管理され輸送されています。
基本的に問題はないようですが、香港での食卓に上がるまでの流通を考慮して、60日の賞味期限で「加熱用」というのが一般的なんだそうです。
「日本の卵=生食できる」というイメージ先行には注意して欲しいということのようです。
最近では「空輸」することで価格は高くなるものの、「需要はある」ということで、それに挑戦する企業も出てきているそうです。
生卵で「卵かけごはん」が食べられる日本は、世界でも稀だということに感謝ですね。