みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
まず、謝らなければいけないことがあります。
前回「茎ニンニク」と紹介したものは「葉ニンニク」の間違いでした。
申し訳ありませんでした。
自分で書いていながら「茎」ではなかったなあ・・・と思い、もう一度調べてみました。
僕の完全なる思い込みでした。
ということで、今回は「葉ニンニク」について書いていきます。
それでは、「茎ニンニク(ニンニクの芽)」と「葉ニンニク」は何が違うのか?
・茎ニンニク・・・ニンニクの花茎部分(全体的にやや太さがある)
・葉ニンニク・・・ニンニクの葉の部分(ニラに近い薄い形状)
ということになります。
「葉ニンニク」はニラやネギにも似ており、ニンニクや茎ニンニクに比べると匂いが少なく、甘味もあり食感も柔らかいです。
生産量は少ないですが、どんな料理にも合わせやすい野菜なんです。
実際食べてみると、「ニンニクの芽」というよりは「ニラ」に近い印象でした。
「葉ニンニク」の産地は、ニンニクの主な産地でもある青森県です。
他にも、千葉県、沖縄県、高知県などで多く栽培されています。
と言ってもまだまだ少ないですが・・・
「葉ニンニク」はニンニクを育てる過程で、早い段階で葉を収穫したものです。
ニンニクは土に埋まった球根部分が大きくなるまで育ててから収穫しますが、葉ニンニクは球根部分が大きく成長する前に収穫したものです。
葉ニンニクとして収穫されると、その後ニンニクができることはありません。
「葉」を切り取らないでおけば、青々としていた葉が茶色に変化して枯れていきます。
それは「葉」に蓄えられた栄養が地中へ移っていき、地中のニンニクが大きくなり始めるんです。
現在では「葉ニンニク専用品種」があります。
これはニンニクを収穫するためのものではなく、「葉ニンニク」として栽培することを目的にしているものです。
青森県では「福地ホワイト」という品種が多く栽培されています。
CMなどでもよく耳にする名前ですよね。
この品種はニンニクを収穫するために特化した品種なので、「葉ニンニク」として収穫されることはないそうです。
そしてこの「葉ニンニク」は実は中国野菜なんです。
中華料理では欠かせない食材の一つで、特に四川料理で重宝されているようです。
四川料理といえば有名な料理がいくつかありますが、その中に「回鍋肉(ホイコウロウ)」があります。
みなさん「回鍋肉」に使う野菜といえば何ですか?
「キャベツ!」
そうですね。
しかし、「回鍋肉」の本場中国四川では、キャベツではなく「葉ニンニク」を使うんです!
それではなぜ日本では「キャベツ」を使うのか?
それは日本に四川料理、特に「麻婆豆腐」を家庭にまで広めた「陳健民」氏が関係しています。
陳健民氏が日本で「回鍋肉」を作ろうとした時に、当時日本には「葉ニンニク」がなく、代替野菜として「キャベツ」を使用したからなんです。
というか、今では「回鍋肉」と言ったら「美味しくキャベツを食べるためにメニュー」と思ってしまうくらいですよね。
陳健民氏のすごさをあらためて感じました!