みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
「ビワ」の季節です。
お店の隣には、大きなビワの木があります。
先日、お隣さんから、その「ビワ」をいただきました。
ちょっと若い感じでしたが、早速ジャムを作りました。
アクが強いので、エグミが出ます。
そのあたりの扱いが大変ですね。
昔に比べて、いまは「ビワ」をあまり食べないかもしれませんね。
しかし、昔から人気の果物なので、お店で買うとイイ値段がします・・・(笑)
高級フルーツ店では、キレイで大きな「ビワ」が、これまた目が飛び出るような値段で売ってますね。
そんな「ビワ」の産地をご存知でしょうか?
生産量が全国一なのは「長崎県」なんです。
2位は「千葉県」ですが、長崎県は千葉県の2倍以上の生産量なんです!
長崎県がビワの産地になったのは、ある人のおかげでした。
江戸時代後期、長崎県の茂木地区というところに住んでいた「三浦シヲ」さんという方が、長崎の出島でビワの種をもらい、家の畑にまいたことが始まりとされています。
その後、実ったビワの品質が優れていたことから、接ぎ木をし、徐々に増加していきました。
明治時代になると、ビワ園が整備され、栽培が本格化していったそうです。
シヲさんがまいた種から育ったビワの原木の子孫は、現在も残っているそうです。
大正3年に東京で開かれた博覧会に出品されたビワがすべて入賞したことで、その名が全国に広まっていったそうです。
それがきっかけとなり、ビワの栽培が拡大し、昭和2年には作付け面積が1位だった千葉県を抜き、全国一となりました。
戦後もビワの需要は依然高く、まだ流通事情が悪かった中でも、東京や大阪方面に出荷されていたそうです。
そのように有名になったという理由もありますが、長崎市茂木地区が、たまたまビワの栽培に適していたことも生産量を増やすことができた一因でした。
「日当りが良い」「年中暖かな気候」「水はけが良い」
という土地であったんですが、それだけではなく、ビワを栽培するのに適した「悪い?」条件が重なったことにありました。
それは、ビワは他の農作物と違い、
「過酷な環境であればあるほど、甘い実をつける」
と言われています。
そんな温暖ながら、競合する農作物がない長崎の斜面だったことからこそ、生産量を増やすことができたんです。
そしてもう1つ生産量を増やすことができた要因がありました。
それが
「収穫時期」
なんです。
ビワの収穫時期は5月下旬から6月です。
この時期は果物にとって「端境期(はざかいき)」に当たります。
いまでは色々な果物がお店に並んでいますが、かつてはイチゴも収穫が終わり、夏のスイカもまだ出回っていない時期だったことから、ビワがとても珍重されたといいます。
そのため、農家の人達も収入につながるため、生産に力を入れたんだそうです。
どこもそうですが、近年は農家さんの「高齢化」や「なり手不足」が大きな課題となっているそうです。
そういったことも、国としての課題として扱っていかなければならない問題だと思います。