みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
店内に生けてあった植物。
なんだかデッカい猫じゃらしみたいなものでした。
「これ何?」
スタッフ「K」に聞くと、
「え?それアワだよ!」
という答えが返ってきました。
「え〜!これがアワなの!!初めて見た!!!」
名前や、つぶつぶの実は知っていても、実際どんな風に実が付いてるか知りませんでした。
「アワ(粟)」というものは、言葉を聞いたことはあっても、なかなか実際の植物を見ることってありませんよね。
「アワ・ヒエ」と言うと、僕はなんだか「縄文時代」という勝手なイメージをしてしまいます・・・
また、「戦中戦後の食糧難の際に食べていた」・・・そんなイメージですね。
あと「インコのエサ」ですね。(笑)
それから僕の大好きだった「粟大福」!!
これは東京の武蔵村山に本店がある「紀の国屋」さんの人気の和菓子です。
大福好きな僕の中で、一番好きな大福でした!
「大福 OF THE 大福」
実は紀の国屋さんは2022年に、顧客の高齢化に加え、原材料の高騰、コロナ禍での手土産需要の減少などから自己破産申請をし、閉店となってしまいました・・・
しかし、社長から直接指導を受けていた中核の職人さんたちが、新ブランド「匠紀の国屋」を掲げて再スタートさせています。
と、少し話が横道にそれましたが、「アワ」というと、僕はどうしても大好きだった「粟大福」のことを思い出してしまうんです・・・
この辺に美味しい「粟大福」作ってるとこないかなあ・・・
とそれはいいとして、「アワ」は今ではヘルシーフードの1つとして人気があります。
「アワ」はアジア原産とされ、野生原種がユーラシア大陸に広く分布しています。
中国では紀元前から栽培され、大部分の地域で主食として食べられていたそうです。
日本へは米よりもいち早く伝わり、「縄文時代にはすでに栽培されていた最古の穀物」なんです。
古くから稲・麦・豆・ヒエを含めた五穀として史実に残り、近代までは「ヒエ」と並ぶ庶民の大切な主食でした。
「アワ」には大きく2つの種類があります。
・ウルチ種(ウルチアワ)・・・古代から主食として食べられてきた品種です。黄色みがかっており、パラパラ・プチプチした食感で、飽きのこないさっぱりした味が特徴です。
・モチ種(モチアワ)・・・炊くと粘り気が出てモチモチになり、クリーム色をしています。
「アワ」は、お米やお餅に混ぜたり、蒸したりして食べることが多いですね。
フレンチでは「クスクス(スムール)」という食材(付け合わせ料理)があります。
ヂュラム小麦の粗挽粉から作る粒状のもの(またそれを使って作るもの)です。
仔羊の煮込み料理などに付け合わせとして使うことが多いですね。
その「クスクス」と「アワ」はよく似ていると思います。
もしかすると「クスクス」を食べたことのある方もいらっしゃるかもしれませんね。
洋食にも使われますが、やはり「アワ」をよく使うのは、和菓子や和食の方が多いですね・・・
僕の人生「濡れ手に粟」はないでしょうね・・・地道にやっていきます・・・