みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
柿が店頭にたくさん並び始めました。
そこで頭に浮かんだ「ことわざ」。
「桃栗三年柿八年」
よく知られている「ことわざ」ですね。
この「ことわざ」の意味は単に実を付ける年月を表すものではなく、
「人が技術や知識を身に付けようとしても一朝一夕に実現できるものではなく、長い年月をかけることが必要」
という意味を持っています。
目標に対して努力しているとき、すぐに結果が出せないからと言って諦めそうになった人を励ます意味合いで使われることもあります。
この「ことわざ」が広まったのは江戸時代になります。
「尾張(大阪)いろはかるた」の『も』に登場したことがきっかけといわれています。
「桃や栗は植えてから3年たたないと実を付けない。柿にいたっては8年も歳月が必要になる」
ということを表していて、これが転じて、
「簡単には一人前になれず、ひとかどの人物になるには努力が必要だ」
という意味合いで使われるようになりました。
実はこの「ことわざ」には続きがあるのを知ってますか?
時代や地域によっても違う形で語り継がれているんです。
代表的なものをいくつか紹介します。
・桃栗三年柿八年 柚子の大馬鹿十八年
・桃栗三年柿八年 梨の馬鹿目が十八年
・桃栗三年柿八年 梅は酸い酸い十三年 梨はゆるゆる十五年 柚子の大馬鹿十八年 みかんの間抜けは二十年
あとに続くものほど果実の収穫に時間がかかることがわかりますね。
そしてなかなか実を付けないことに対して厳しい表現になっています。
また、植えてから収穫までの期間を誰にでも分かりやすく伝えるために作られたものもあります。
・桃栗三年柿八年 枇杷は早くて十三年
・桃栗三年柿八年 梅は酸いとて十三年 柚子は九年花盛り 枇杷は九年でなりかねる
それから、果実以外のもので例えているものもあるんです。
・桃栗三年柿八年 女房の不作は六十年 亭主の不作はこれまた一生
最後にこんなものまであります。
・桃栗三年後家一年
これは「亭主を亡くした女性が悲しみに暮れているのはほんのわずかな期間で、すぐにまた新しい亭主を見つけるものだ」ということを揶揄している言葉ですね。
「ローマは一日にしてならず」
も同じような「ことわざ」かな。