みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
「コーンスターチ」と「片栗粉」
同じようなものですが、どのような違いがあるのか?
西洋料理では「コーンスターチ」を主に使います。
日本料理や中華料理では「片栗粉」を使うことが多いですね。
主にトロミ付けに使うことが多いです。
フレンチでもソースのトロミが足りないときによく使います。
味の変化がほとんどなく、ツヤも出ることから、重宝されています。
「コーンスターチ」の原料は「トウモロコシのでんぷん」です。
対して、「片栗粉」は「ジャガイモのでんぷん」です。
元々は「カタクリの根茎」から取ったデンプンを利用していたことから、この名前が付いていますが、現在では主にジャガイモのでんぷんが原料となっています。
2つとも同じ「でんぷん」からできていますが、何か違いがあるんでしょうか?
「片栗粉」は加熱するとトロミが出やすく、冷めるとトロミが弱くなります。
ということから、温かいうちに食べる料理、例えばあんかけ料理などに向いています。
およそ55℃〜66℃の温度で無色透明なトロミが出てきます。
特に素材の色彩を重視する日本料理が片栗粉を使うのもわかりますね。
対して「コーンスターチ」は加熱するとトロミが付きますし、そのトロミが冷めても低下しにくいんです。
ということから、プリン、カスタードクリーム、ブランマンジェなどの製菓に使われてることが多いです。
また、揚げ物の小麦粉の代用や、小麦粉に混ぜて使うことで食感がサクっと軽くなります。
クッキーやスボンジ生地などの焼き菓子に加えても軽い仕上がりとなります。
少量を使う分にはそれぞれが代用できますが、例えばプリンやカスタードクリームを作るときに片栗粉を使うと、冷めたときに粘度が低下するため固まりにくいので、あまり適してはいないようです。
反対に、あんかけなどのトロミ付けにコーンスターチを使うと、トロミがつきにくく、片栗粉よりも量を多めに使うこととなってしまいます。
また、コーンスターチは加熱しても無色透明にはならないので、食材の色を活かしたいときには向いていません。
違いがわかっていただけましたでしょうか。
頭の片隅にしまっておいて料理に活用してくださいね。