みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
「ソースといえば・・・」
みなさんは、ソースといえば何を思い浮かべますか?
僕は、
「ソースといえばソースでしょう!」
と、昔は思っていました。
今ではそうは思いませんが・・・
どういうことかというと、
「ソースといえばウスターソース」
ということです。
日本では、洋食の普及とソースの国産化の努力により、
「ソースといえばウスターソース」
という認識が広がりました。
ソースとは液体調味料の総称で、原料の違いや、製法、色などによって多くの種類があります。
代表的なものとしては、「ウスターソース類」「トマトケチャップ」「マヨネーズ」「ドレッシング類」「ホワイトソース」「醤油」などさまざまなものがあり、その数は数千あるといわれています。
そんなウスターソースですが、この名前は「英国ウスター市」で生まれたことが起源になります。
ウスター市のある家庭で起こった偶然の出来事がウスターソース誕生のきっかけだったといわれています。
19世紀初め、市内に住む主婦が余った野菜や果実の切れ端を有効に利用しよと香辛料をふりかけて壷に入れ、腐敗しないように塩や酢を加えて貯蔵しておきました。
それが長い時間をかけて熟成され、肉や魚、野菜にも合う液体ソースになったということなんです。
このウスターソースン原点といわれているのが、「リーペリンソース」です。
英国・ウスターシャー地方の薬剤師のリー氏とペリン氏によって作られました。
主原料は厳選された野菜や果物、タマリンド(果実)などが使われており、スパイスは秘伝のレシピによって巧みにブレンドされています。
特徴的なのは、日本のウスターソースには使われていない「アンチョビ」が使われていることです。
この仕事を始めた頃、
「ソースはありますか?」
と言うと、
「ソースって何ソース?」
と言われたことを今でも思い出します・・・
それまでは「ソースといえばウスターソース」でしたが、料理の世界ではソースは何種類もあることを知った出来事でした。