高浜市でランチが自慢のカフェ:salutサリュー

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日本酒人気の陰には・・・

みなさんこんにちは。シェフ「H」です。

 

ユネスコは、日本酒や本格焼酎などの「伝統的酒造り」を無形文化遺産に登録するよう勧告しました。

 

無形文化遺産とは、工芸技術やお祭り行事など多岐にわたリますが、その土地の文化や風習と深く関わっている、形のない文化が対象となります。

 

昨年までに140カ国730件が登録され、その中には、

 

・スペインのフラメンコ

・インドのヨガ

・イタリア・シチリア島の人形劇

・シンガポールの屋台

・フィンランドのサウナ文化

 

などがあります。

 

日本で最初に登録されたのが2008年の人形浄瑠璃文学・歌舞伎です。

 

2013年には「和食」が登録されたことも話題となりました。

 

今回、登録される見込みとされているのが日本の伝統的酒造りです。

 

日本の伝統的な酒造技術は、世界でも独自の製法と評価されています。

 

例えば日本酒については3段階の工程があります。

 

そのひとつ目は米などの原料を蒸して処理することです。

 

ふたつ目は蒸した米に麹菌を繁殖させて、杜氏と呼ばれる職人が高度な技術で温度や湿度の調節などをすることで風味を出していることです。

 

3つ目は発酵です。

 

米などに含まれるデンプンを麹菌の働きで糖に変え、さらに酵母を加えてアルコールに発酵させる、という2つの作業を1つの容器で同時に進めるというのが独自の方法ということなんです。

 

こうした酒造りは、個人、地域、国と3つのレベルで伝承されているという文化です。

 

さらに、神事、冠婚葬祭と密接に関係があるという点で、地域の人々と強く結びついていることも無形文化遺産の評価の対象となっているということです。

 

現在、日本酒は人気がありますが、伝統的な酒造りの技術は衰退や消滅の危機にあるということです。

 

実際、50年前と比べて、国内の出荷量は4分の1にまで落ち込み、杜氏の人数も最盛期の5分の1ほどにまで減っているんです。

 

日本酒造りなどに限らず、人口減少とともに職人の成り手も減っていくことは、伝統技術の継承においても対策は必要だと思います。

 

 

 

 

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