みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
10月24日は「マーガリンの日」でした。
マーガリンについてもっと良く知ってもらおうと、日本マーガリン工業会が、マーガリンの生みの親であるフランス人の「メージュ・ムーリエ・イポリット」の誕生日である10月24日(1817年生)をマーガリンの日としました。
19世紀末に、当時不足しているバターに代わる物はないかと、ナポレオン3世が懸賞募集を行い、彼の考えた案が採用されたのです。
みなさんは「マーガリン」と言うとどんな印象をもっていますか?
たぶん、「安い」「美味しくない」「口に残る」「体にあまり良くない」など、どちらかというとあまり良い印象は持っていないかもしれません。
僕もそんな印象を持っていました。
しかし調べてみると、そうでもないようです。
「バター」が牛乳から分離したクリームを練って固めた食品であるのに対し、「マーガリン」の原料は上質の油脂です。
主に大豆油・なたね油・コーン油・パーム油・やし油・綿実油・ひまわり油などの植物油が約60%を占めます。
これら植物性脂肪に乳化剤や香料を加え、人工的に固形化した物です。
マーガリン製造過程で「トランス脂肪酸」ができることで、過剰摂取による健康への影響が懸念されています。
しかし、最近では、各社製品で、トランス脂肪酸の低減化が進んでいます。
このトランス脂肪酸とは何か?
トランス脂肪酸には血中の悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす働きがあります。
ゆえに大量に摂取すると動脈硬化などで身体に悪影響を及ぼす危険性があります。
これがマーガリンが敬遠される原因の1つとなっていると思われます。
しかしながら良い点というのもあるんですよ。
バターは成分の80%以上が牛乳などの動物性脂肪であるのに対して、マーガリンは成分の80%が植物性油などの植物性脂肪です。
ちなみに「ファットスプレッド」と記されている物をよく目にしますが、「ファットスプレッド」とはマーガリンにくらべ油脂含有率が低く、より軽い味が特徴で、現在はこちらの方が主流になってきているようです。
マーガリンは使用する油脂によって、その風味や成分も変えることができます。
カロリーを抑えたタイプ、お菓子作りに適したタイプ、またバターやガーリックを加えたものなど、用途によって色々なタイプを作り出すことができます。
また冷蔵から出してすぐにパンに塗りやすいというのも便利な特徴の1つです。
マーガリンは「トランス脂肪酸」含有量が多いということが、悪いイメージにさせている原因の1つのようですね。
近年もそれは改善されてきています。
バターの特徴、マーガリンの特徴、それぞれの良い持ち味を使いこなすことができたらいいなと思います。