みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
いよいよ今年も残り2週間となりました。
世の中が「クリスマス」に沸いている?間にどんどんと日は経っているんです・・・
2週間後の迎える新年に食べるものと言えば 「おせち料理」 ですね。
「おせち料理」はそれぞれの料理に意味を込められています。
今回はその中の定番料理の1つである 「伊達巻き」 について、
「どういった意味があるのか?」
「お正月に食べる意味」
などをお伝えしていこうと思います。
みなさんは「伊達巻き」には何か思い出があるでしょうか?
僕は、卵焼きかと思って食べたら、卵焼きじゃないし、何だかえらく甘いし・・・
子供ながら美味しそうに見えたものがそうでもなかった・・・
でも、おせち料理の中では子供でも食べやすい・・・
みたいな思い出があります。
ちなみに 僕は「田つくり」が好きでしたね!
さて「伊達巻き」とは「卵」「魚のすり身」「砂糖」を混ぜて焼いたものです。
それを巻いて作る料理です。
甘い味付けで、老若男女みんなに好まれる料理ですね。
江戸時代に長崎に伝来した「カステラ蒲鉾」という料理が「伊達巻き」の始まりだとされていますが、諸説あります。
「伊達巻き」にはどういった意味が込められているのか?
何だか色々あるようです。
・「伊達巻き」は巻かれたその形が「巻物」に似ていることから「学業成就」の願いが込められています。
・「伊達」という言葉には「華やかさ」や「おしゃれ」という意味が含まれています。
卵が使われているため、キレイな黄色が豪華な雰囲気で、華やかさも持たせる意味合いがあります。
・使っている「卵」は子供を連想させます。 そのため、「子孫繁栄」の願いも込められています。
「おせち料理」にはこのように、縁起をかついだり、願いを込めた食べ物が詰められています。
それでは、そもそも「伊達巻き」と呼ばれるようになった理由は?
いくつかの説があるようですね。
・派手な卵焼き説
「伊達」という言葉には「おしゃれ」や「人目を引く」といった意味合いがあります。
「伊達巻き」も鮮やかな黄色をしていて、食べ物の中でも人目を引く色合いであることから「派手な卵焼き」として「伊達巻き」と名付けられたと言われています。
また、当時のおしゃれな若者を「伊達者」と呼び、彼らが着ていた着物の柄と似ていたことから「伊達巻き」と名付けられたとも言われています。
・着物の帯に似ている説
着物には、着崩れを防ぐために帯の下に締める帯状のものがあり、これを「伊達巻」と言います。
この「伊達巻」が料理の「伊達巻き」の形が似ていることから、また着物の「伊達巻」を巻く動作が、料理の「伊達巻き」を巻く動作と似ていることからそう付けられたとも言われています。
・伊達政宗の好物だった説
戦国武将である「伊達政宗」は、「魚のすり身」と「卵」を使った「平玉子焼き」という料理が好きだったとされています。
この「平玉子焼き」を「伊達焼き」と呼ぶようになり、さらにこれが巻かれて作られるようになったため、いつしか「伊達巻き」と呼ばれるようになったと言われています。
このように色々な説があるので、真意のほどはわかりませんが、それだけ多くの人に愛されている料理なのかなと思います。
最後に「伊達巻き」についてのあれこれです。
「伊達巻き」は名前の通り巻かれた姿が特徴的ですが、一般的には巻かれている方向が「右巻き」に見えるように盛りつけるのが良いとされています。
これには、「右巻きにはエネルギーが入る」という意味合いがあるからなんだそうです。
わかり易く言うと「の」の字ですね。
左巻きは「エネルギーが抜ける」とされているんだそうです。
「の」の字に盛りつけてあった方が、見た目にも落ち着きますよね。
また「伊達巻き」は東西で味付けが少し違うようです。
そもそも甘めの味付けなんですが、「関東」の方が「関西」よりも甘く味付けするようです。
「関西」では甘すぎる「伊達巻き」は好まれず、甘さも控えめのようです。
おせちにも代わりに「出し巻き卵」を入れることもあるそうです。
「関西」では「卵」と「すり身」を梅の花の形をした方に入れて焼き上げた「梅焼き」や、「伊達巻き」を使ったお寿司「伊達巻き寿司」などがあります。
ちなみに5月24日は伊達政宗の命日であり、この日を「伊達巻きの日」という記念日に制定されているようです。
おせち料理とはいえ、何だか安心する卵料理ですね。