みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
東京・豊洲市場の初競りで、津軽海峡で取られ、青森県大間町で水揚げされた212キロのクロマグロが3604万円の最高値を付けました。
これは前年の2・1倍となり、4年ぶりに前年比で上昇しました。
初競りの価格は景気の先行きを占う意味でも注目されます。
ところで、マグロは取れたてが一番美味しくないと言われています。
マグロというか魚全般、新鮮なほど何の味もしません。
寝かせてはいけない魚も一部ありますが・・・
一般的に新鮮=美味しいというイメージがありますね。
これは魚に関しては真逆なんです。
極端に言うと、腐る寸前がもっとも美味しいとされています。
店頭に並ぶ生のマグロが美味しいのは、釣り上げてから〆て、10日くらい経っているのでマグロ自体が熟成されているからなんです。
冷凍マグロは、解凍して3日目くらいがもっとも美味しいと言われています。
しかし、生に比べて変色するのが早いために早めに食べた方がいいです。
それでは
「なぜマグロは寝かせた方が美味しいのか?」
というと、マグロの中には「イノシン酸」という成分があります。
これがあることで美味しく感じます。
「イノシン酸」はみなさんもご存知のようにうま味成分の1つで、主に「鰹節」の含まれているうま味です。
しかし、このイノシン酸は、マグロを〆た直後には全く生成されていません。
代わりにアデノシン3リン酸という別の成分の状態になっています。
このアデノシン3リンは時間が経過すると徐々にイノシン酸に変化していくんです。
そうして美味しくなっていきます。
お寿司屋さんなど、自分のところで寝かせて熟成させているところもありますよ。
大きな魚は寝かせることが必要になってくるんです。
お肉も寝かせて熟成させるのと同じなんです。
取れたての魚の美味しさもありますが、寝かせて熟成させた美味しさもあるんですよ。