みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
2月9日は「肉の日」です。
「肉の日」に地元の和牛を使った給食が提供されたという記事を見ました。
これは、和牛の繁殖が盛んな地元では、新型コロナの影響で子牛の価格がコロナ前の8割まで値下がり、飼料の高騰で厳しい経営状況が続いているということで、市のPR活動を進め、繁殖農家の支援を行っていくとすることから提供されたそうです。
「え!和牛の値段は上がっているんじゃないの?」
そう思っていました。
確かにコロナ禍で需要は減りましたが、和牛の値段は下がっておらず、むしろ高くなっています。
そこで調べてみると、とんでもない現状が浮かび上がってきました。
「子牛が1000円?価格が大幅下落!」
こんな見出しが目に入ってきました。
「え?子牛が1000円ってどういうこと?」
「子牛がありえない低価格で取引きされ、買い取り手のない子牛もいる。廃業を考えている酪農家も多い」
これは北海道南部にある酪農が盛んな八雲町のことです。
乳牛を飼育して生乳を生産する酪農家さんは「肉牛として育てられる子牛」も生産しています。
乳牛のホルスタインどうしを掛け合わせて生まれた子牛の「メス」は、乳牛として育てられます。
しかし「オス」の子牛や、乳牛や肉用の牛を掛け合わせて生まれた「交雑種」の子牛は、肉用として畜産農家などに販売され、育てられます。
こうした子牛は、実は酪農家さん達にとっては大切な収入源となっているんです。
しかし、この価格が大幅に下落しているといいます。
ある酪農家さんはこう言っています。
「去年6月には1頭13万、14万で売れていたが、去年の9月には5000円でした」
子牛が1頭5000円・・・
どうなってるんだ!
子牛の価格がこんなにも大幅に下落したのには、やはり訳があるんです。
買い取る側の畜産農家さんはこう言います。
「牛肉の値段は変わらない。それなのに牛の生産コストだけがどんどん上がっている。そうすると畜産農家の儲けは無くなる。子牛を安く買ったからといって、多く儲けているわけではない」
牛のエサである飼料の大半は、輸入に頼っています。
しかし、ロシアのウクライナ侵攻などの影響で、取引価格が大幅に上昇しています。
つまり、子牛を育てるための飼料の価格が高騰している一方で、牛肉の価格は大きく変わりません。
この状況で、子牛を高い値段で買いとることはできないと言います。
こんな中でも子牛は生まれます。
しかし現状では、子牛を売れる状態まで育てるのに3万円程の経費がかかるそうですが、子牛の状態を詳細にチェックし、担当者が提示した金額は「1000円」。
値段がつくだけ良いと、仕方なく引き取ってもらうこともあるそうです。
また道内では、これまでほとんど輸入に頼っていた飼料用のトウモロコシを国内で生産しようという動きも広がってきているそうです。
しかしながら、国内で生産できているのは、わずか1%にも満たない状況のようです。
コロナ禍ということもあり需要が増えないので、なかなか牛肉の値段を上げられない。
しかし、生産コストは大幅に上がっている。
すると生産者の利益は減る。
廃業する生産者が増える。
需要が増えた時には生産量が少なくなっている。
こんな負のスパイラルが起きていると思います。
これを大きく考えると、日本の現状にも似ていると思います。
物価が上がっているが、賃金は増えない。
すると消費が控えられるので、経済も活性化しない。
となると、結局賃金は増えない・・・
子牛の現状も、多くの中の一部の現状に過ぎません。
いち国民の僕が、こんなことを言って悩んでいてもどうなる訳でもありません。
しかし何かしら考えたり、小さいことでも行動していけば、何かしら変わるかもしれません。
日本の良いものは失くしてはいけないと思います。