みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
大相撲は、相変わらずの人気ぶりですね。
実際の大相撲も話題に事欠きませんが、Netflixのドラマも人気です。
そして、大相撲と切り離せないもののひとつに「ちゃんこ鍋」がありますね。
力士たちの身体作りには欠かせない料理です。
今回名古屋場所で優勝した「豊昇龍(ほうしょうりゅう)」も、入門した時の写真を見るとガリガリです。
そんな力士達は「食べるのも仕事のうち」で、身体をつくるために、ものすごい量を食べると聞きます。
それではまず、
「ちゃんこ鍋の”ちゃんこ”って何?」
ということからです。
「ちゃんこ」と聞くとみなさん、「ちゃんこ鍋」を想像しますよね。
しかし本来は、相撲部屋の力士さんが作るすべての料理を「ちゃんこ」と言います。
ということは、「カレーライス」や「天ぷら」「麻婆豆腐」などのどんな料理でも、相撲部屋にいる力士さんが作った料理は「ちゃんこ」となるわけです。
その中でも力士さんが作る鍋のことを「ちゃんこ鍋」といいます。
「ちゃんこ」という名前の由来は、諸説ありますが、有力と考えられているものを紹介します。
*中国から伝わった鍋の名前が訛った結果、「ちゃんこ」となったという説
江戸時代に力士が長崎巡業へ行った際に、中国から長崎に伝わった板金製の鍋「チャンクォ」が訛った結果「ちゃんこ」になったとされています。
*相撲部屋で親方と弟子の関係からきているといわれている説
相撲部屋では親方を「父親=ちゃん」、弟子を「子=こ」と呼んでおり、師匠である親方と弟子が一緒に食べる鍋だから「ちゃんこ鍋」となったと言われています。
ちゃんこ鍋の始まりは、明治の終わり、十九代横綱「常陸山(ひたちやま)」の出羽海部屋で、力士の食事のメインを鍋料理にしたことが始まりです、
当時の出羽海部屋には入門者が殺到しており、普通の配膳では食費や準備がかなり負担になっていたことから、一度に大量に作ることができ、配膳の必要がない鍋料理をメインにすることになったそうです。
そして、この料理が栄養バランスも良い理想の食事であることから、各相撲部屋にも広まったそうです。
また、「ちゃんこ鍋」は昔から具材や出汁に鶏を使うことが多いんです。
これには理由があり、「牛」や「豚」などの四足歩行の肉を使うことは「手をつく=負ける」というイメージがあることから、縁起を担ぐために避けられていたからです。
対して「鶏」は「二本足=手をつかない」ということから縁起が良いとされていました。
ということから、ちゃんこ鍋には「鶏」が多く使われているんです。
もちろん現在では飽きのこないように豚肉や牛肉も使っているようですよ。
味付けや具材に決まりはありませんが、相撲部屋ごとに昔からの伝統を引き継いだ味付けがあるようです。
とは言うものの、今でも相撲部屋では場所が始まる「前夜」と「千秋楽」には「豚」や「牛」は使われず、「鶏」を使った「ちゃんこ鍋」を作るそうですよ。
特に大相撲は「縁起」を担ぎそうですからね。