みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
「ポテトチップスを食べているときは、パリパリ音を聞くことでさらに美味しく感じる」
そんな研究をしたのは、オックスフォード大学のチャールズ・スペンス教授と共著者のマッシミリアーノ・ザンピーニ博士です。
この研究で、イグノーベル賞栄養学賞を受賞しています。(イグノーベル賞についての説明は省きます。)
スペンス教授は、五感がどのように連携し合っているかを研究していました。
その中で、洗剤会社と連携した研究で、
「パリパリに乾いてしっまった手をこすり合わせた時に音を聞こえにくくすると、手が実際よりもしていると感じる」
という発見をし、実用化しようとしていました。
そして、ある日ポテトチップスを見て、
「ポテチのパリパリ音も音に影響されるのでは?」
と思いつき、実験に至りました。
ボランティア200人を集め、一人ずつ防音室でプリングルズのポテチを食べてもらったそうです。
プリングルズは一枚一枚が均一に作られているので、公正な比較がしやすいんです。
また、食べる時は前歯だけでかじってもらい、噛み方によるばらつきがないようにしたそうです。
防音室でマイクと向かい合わせになり、自分がポテチをかじったときの音が、ヘッドフォンを経由して聞こえてくるようにしました。
こうしてポテチの新鮮さとパリパリ度を評価してもらったところ、同じポテチでも音量を大きくしたり高音域を強く出した時の方が、15%程度かみごたえが強く、新鮮に感じられることがわかりました。
つまり、ポテチを美味しく食べるにはパリパリ音が重要ということになります。
リンゴ、セロリ、ニンジン、クラッカーなど、カリカリ、コリコリした食べ物なら同様の効果が得られるそうです。
ちなみにスペンス教授は、聴覚以外の五感も味の感じ方に影響していることも研究しています。
その例としていくつか紹介します。
・イチゴ味のムースは、黒い容器で出されるよりも白い容器で出される方が10%甘く感じる
・コーヒーは、ガラスのコップから飲むよりも白いマグカップで飲む方が2倍ほど濃く感じる。
などのデータを得ることができました。
やはり、食事の際は五感を使い集中した方が良さそうですね。