みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
お盆の日程は地方によって違うようですが、おおよそ新暦の8月13日(迎え火=盆の入り)から16日(送り火=盆明け)までの4日間を「月遅れの盆」と呼びます。
そんなお盆に精霊馬(しょうりょううま)の「キュウリ馬」と「ナス牛」をお供えする習慣があります。
これは一体どういう意味なのか?
これは「行きは早く」「帰りはゆっくり」という願いが込められています。
キュウリ馬はお盆に先祖の霊が、浄土(あの世)から家に帰ってくる時に乗って来られるように、前脚と後ろ足として苧殻(おがら・麻の皮を剥いだ後に残る芯の部分のこと)をキュウリに刺し、馬に見立てて作ったものです。
一方、ナス牛はキュウリ馬同様、ナスに苧殻刺して前脚と後ろ足とし、お盆が終わり、先祖の霊が浄土へ帰る際に乗る牛に見立てたものです。
行きが馬で、帰りが牛というのは、ご先祖の霊に、
「早く来てください」「帰りはゆっくりとお戻りください」
という願いが込められていると言われています。
とは言うものの、僕自身、色々なメディアで見たり聞いたりしますが、じつは実際には見たことはありません・・・
調べてみると、それもそのはず。
精霊馬は浄土真宗以外の宗派でお飾りするものでした。
大河ドラマ「どうする家康」でも取り上げられたように、このあたりでは浄土真宗が多いこともあり、この習慣はあまり馴染みがないものかもしれません。
昨今では「形だけでも」とお盆飾りだけをするところもあるようですね。
ちなみに、キュウリとナスが使われているのは、農家の多かった江戸時代に、夏の時期に全国的に収穫され、手に入りやすく親しみがある野菜だということからなんです。
お盆に限らず、毎日仏壇に手をあわせるのが習慣となっている僕です・・・