みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
洗い物も仕事のうちです。
働き始めの頃は、洗い物をしている時間の方が長いくらいです・・・
それは言い過ぎかもしれませんが、仕事の多くの時間は洗い物に費やされます。
大人数の大きな調理場であれば、洗い物は下の仕事です。
大抵は若い子がします。
それで調理場は回ります。
しかし小さな調理場では手が空いた者が洗い物をすることもあります。
ホテル時代、初めは20人弱いる大きな調理場にいましたが、その後6人ほどの小さな調理場に移り働きました。
人数が少ないと、それぞれの仕事も多く、特に忙しくなると手が空かず、洗い物がたまってしまうことがあります。
そうすると、料理長が洗い物をし始めます。
普通ではありえません・・・
若い子も気が気ではありません・・・
そんな料理長の姿を見ていたので、僕自身も手が空けば自然に洗い物をするようになっていました。
調理の世界では料理長が洗い物をすること自体稀なことです・・・
まあ調理場が上手く回ってくれた方がいいので、常識にとらわれずでいいんですけどね・・・
そんな洗い物は仕事の基本中の基本です。
どうしたら早くきれいに洗えるのかを考えながら洗い物をしていきます。
これは調理と同じです。
いまはもちろん調理から、洗い物、掃除も僕1人でやっています。
洗い物は、「タワシ」の他にも「金ダワシ」や「スポンジ」を使い洗います。
それぞれがだんだんヘタれてきます。
タワシは久しぶりに交換します。
かなりヘタれて小さくなり、中の金も見えてきました。
長いことありがとう・・・
これでもまだ捨てずに掃除に使います。
新しくなったタワシは大きく、とても使いやすく、汚れも早く落ちます。
「やっぱり新しい方がいいなあ・・・」
タワシの正式名称は「亀の子型たわし」です。
明治40年、東京の西尾商店の創業者により発明されたものです。
子亀に形が似ていたことに由来するそうです。
主な素材は椰子(やし)です。
世界には2000種近くあるといわれていますが、最も適したものはココヤシです。
漢字では「束子」と書きます。
昔は藁(わら)などを束ねて使っており、「持ち手藁」と言っていたそうです。
そこから「てわら・たわら」となりましたが、「俵(たわら)」と混同してしまうため、「たばし」という名になっていったようです。
タワシに代わるものはなかなかありません。
なくなることは無いでしょうね。