みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
「2024年問題」という言葉を聞いたことがあると思います。
簡単に言うと、
「2024年4月からトラックドライバーの時間外労働の960時間上限規制と、改正改善基準告示が適用され、労働時間が短くなることで輸送能力が不足し、「モノが運べなくなる」可能性がでてきてしまうこと」
になります。
特に長距離のトラック輸送には時間がかかりますが、いままでのように長い時間働くことができなくなってしまうんです。
そんな中でサントリーは、物流業界全体のトラックドライバーは2030年、2022年比で23%減少するという推計を出しました。
飲料業界はトラックの輸送量が多く、そんな飲料業界でもトップクラスのサントリー食品インターナショナルは、ドライバー不足を重大な経営課題と捉えています。
そんなことから、ドライバーの待機時間削減や運びやすさも考慮した商品設計に取り組み、それと同時に輸送距離の短縮化も図っているそうです。
年間約250品目の商品を展開する同社は、1品目あたりの製造拠点が少ないそうです。
工場が全国に多くあれば輸送距離は短くなりますが、品目が多いために輸送距離は長くなるというジレンマもありました。
この2つの課題をクリヤするのに取り組むべきこととは何だったのでしょうか?
輸送距離の短縮化に向けては、各エリアで製造品目を極力増やして各エリアから出荷すること。
そして、委託工場には多品種製造を依頼するそうです。
製造品目増強については、ペットボトル飲料の製造ラインと自動倉庫を新設したそうです。
設備投資額は合計約250億円!!
さすが大手ですね!
この増強により、今後も伸長が予想されるお茶やコーヒー等の小容量ペットボトルの中長期的な安定供給を図ることに加え、関東エリアから西日本エリアへの長距離トラック輸送量をこれまでより約50%削減し、年間のCO2排出量は約3700t削減できる見込みとなるそうです。
このように物流業界では、色々な努力がなされています。
また、長距離トラックだけでは拘束時間が長くなってしまうことから、近距離トラックと荷物輸送船の組み合わせにより長距離トラックと同じように荷物を運送する新しい輸送方法が新しくとられています。
いままではトラックごと船に乗せて輸送していたものを、輸送船には荷物だけを運んでもらい、運んだ先で別のトラックがまた輸送するというものです。
そこには近距離輸送会社を、輸送船の輸送元と輸送先として繋ぐ仕組みを作る必要があります。
これからトラックドライバー不足解消に色々な方法がとられると思います。
飲食業界にとっては食材を運ぶ命綱でもあります。
物流業界の今後を注視していきたいです。