みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
「料理人は話しベタが多い」
とはよく言われることです。
実際そうですね。
どうしてか?
それは人前で話す機会が無いからだと思います。
よく「職人は無口」とか言われますね。
それは仕事中は黙ってもくもくとやらなければならない。
人前に出ることも少なく、話す機会も少ない。
話すということが、仕事のうちに占める割合が少なく、優先順位も低かったからではないでしょうか。
話さなくても仕事になる。
仕事中にベラベラ話すということもありませんし。
もちろん中には、「口から生まれてきた」と言われるようなよく喋る人もいます。
それは生まれ持ったもの。
すごく話すのが上手な人もいます。
テレビに出るようなシェフは話すのがとても上手くて感心してしまいます。
でもきっとそれは、話さなければならない機会が多くなったことで、話すことを意識して勉強し、何回もそのような機会を経験することで慣れてきたとも言えると思います。
話すのも仕事のうちとなれば、料理だけやっているわけにもいきません。
僕はホテル勤務時代、鉄板焼き部門に配属されました。
当然お客様の前で焼きながら会話をしなければなりませんし、お得意様とあれば、お帰りになるまで相手をすることもありました。
当然話しをすることも仕事になります。
最初は緊張しました。
会話どころではありません。
調理をするので精一杯でした。
それも数をこなすうちに慣れてきます。
会話をしながら調理することも自然にできるようになりました。
しかし緊張するお客様はたくさんいます。
何せ、周りには出版関係、病院、大学、会社が多く、しかも宿泊のお客様もいらっしゃいます。
普通に生活をしていたら話すことなど無い方とお話しすることもあります。
今思い出しても冷や汗が出ます。
「よくあれでやってたなあ。」
当然自分より年上の人ばかり。
知識の量も経験の数も圧倒的に違います。
みなさんリラックスしにきているので、固い話しはしない方が多いですが、それでも僕はよくこう思っていました。
「俺、全然勉強してないなあ。知識の量が少なすぎる・・・」
たまに落ち込むこともあるくらいでした。
こんなことを言われたこともあります。
「先代の料理長は料理に関することなら何でも答えてたぞ。」
「グサ!」
見抜かれている!
勉強不足です。
話しも上手にできないし、知識も乏しい。
よく後輩に、「勉強しろ!」と言ってたのに、自分もたいして変わらないなあ・・・
そんな経験から、「話すこと」に関して後悔と言うか劣等感と言うか、そんなものがあります。
もともと喋りは上手くないし、べらべら喋る方でもありません。
人前で喋ることが苦手で、小学生の時も授業中の本読みを自分から手を挙げることはありませんでした。
最近はオバさん化しているせいか、スタッフ「K」に対して一日中意味もないことをべらべら喋っていますが・・・
しかしこれからは「喋ることのできる料理人の時代」です。
自分の考えをきちんと伝えることができ、なおかつ情報発信の出来る料理人が残っていくような気がします。
職人は自分の良さを言葉でアピールできない。
自分の良さを言葉で伝えることが出来ない。
そんな人達が多いんです。
寡黙でマジメ。
でもこれからはそれではダメだと思います。
言葉は良くないかもしれませんが、これからは「口八丁手八丁」な職人であった方がいいと思います。
そんな「口八丁手八丁な料理人」を目指していきたいですね。
久しぶりに一日良い天気でした。
風は強かったですが、それが気持ちよく爽やかでした。
買い出しの途中。いつもの田んぼ道で。