みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
「調理場は清潔に、そしてキレイにしていたい。」
お店を開店させるにあたって思っていたことの1つです。
まだ料理人として働く前にバイトしていたお店で言われたことがあります。
そこは半オープンキッチンのような感じで、お店を入ってくるお客様は必ず調理場の横を通っていきます。
だから、見ようと思えば調理場の中は見えてしまいます。
なのでシェフからは、
「ここはお客さんから見えるところだから、いつもキレイにしておかないといけない。」
と言われていました。
仕事をし始めてからも、下っ端の仕事は掃除が多いです。
また仕事中ちょっと暇になると、「お掃除タイム」になります。
台風などで予約もなく来客の少ない時などは、「今日は大掃除」と決めて、普段出来ないところを掃除したりします。
掃除ってやり始めるとハマってしまい、のめり込んでしまうことが多いです。
嫌々始めても、最後には「もうちょっと!」と楽しくて止められなくなることがあります。
たぶんキレイになったことが目で見てわかり、達成感があるからなのかと思います。
そうです。料理人の仕事は半分くらいは掃除なんです。
料理を作っているのはほんの一部かもしれないです。
僕の働いていたところは、建物時自体古く、調理場もだいぶ年数が経っていました。
清潔にはしていましたが、見た目は「古いなあ」という感じでした。
落ちない油汚れもそこら中にあり、お世辞にもピカピカとは言いがたい調理場です。
どれだけ掃除しても限界がありました。
あるとき、東京・三田にある「コート・ドール」という有名フレンチレストランに行きました。
その当時の上司の料理長の知り合いということで、予約を入れてもらいました。
「行ったら斉須(コート・ドールのオーナーシェフ 超有名シェフです)さんによろしく伝えといてね。それから調理場を見せてもらうといいよ。ピカピカだから驚くよ!」
と言われました。
当日食事終わりに調理場を見せてもらいました。
緊張しながら入った調理場の目の前には、ピッカピカに掃除されたステンレスが目に飛び込んできました。
驚きでした。
新品以上にピカピカと言ったらいいんでしょうか。
年数が経っているのはわかりますが、それを感じさせないほど磨かれ抜いた調理場。
これ以上清潔な調理場は見たことがありません。
最新調理器具で埋め尽くされたみたいなピカピカではありません。
使い込まれた美しさみたいなものを感じる調理場でした。
「一流レストランはやはり調理場もきれいだなあ・・・」
そう感じました。
その後フランスに行っても、星付きレストランの調理場はどこも清潔でした。
僕自身働いていたレストランも、一日に何回も掃除をしていました。
コート・ドールの調理場を見て以来、
「自分の店を持ったら、調理場は常に清潔でキレイにしておきたい。」
そう思いました。
きれいな調理場で気持ちよく仕事をしたいということもありますが、お客様から見てもきれいな調理場は安心できると思ったからです。
僕の知っている限り、良い仕事をしているお店は調理場も清潔でキレイです。
調理場は清潔であり、キレイにしていきたいと思いますし、自分も気持ちよく、そしてお客様も気持ちよく過ごせるお店作りをしていきたいです。