みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
夏の暑い時はよく冷えた「水羊羹」が美味しいですよね。
でも僕は子供の頃、お中元でよくいただいていた水羊羹を家族で食べていても、
「なんだか薄味で美味しくないなあ・・・」
と思っていました。(笑)
それよりもたまに入っているプリンの方が良かったですね。
そんな僕も大人になり、夏の「水羊羹」の美味しさがわかるようになってきました。
それでも夏に「羊羹」と「水羊羹」を出されたら、「羊羹」をとってしまうかなあ・・・
先日、スタッフ「K」の中学校の恩師からお店にお届け物がありました。
「あ!◯◯先生からだ!」
なんだろうと開けると、美味しそうな水羊羹でした。
お礼の連絡をしたら、
「春に送った『筍』のお返し。」
ということでした。
早速冷やして美味しくいただきました。
何しろ甘い物には目がないもんで・・・
夏の水羊羹はやっぱり美味しいですね。
どうもありがとうございました。
入れ物からして凝っていました!
ところでみなさん、「羊羹」と「水羊羹」は何が違うかご存知ですか?
「水羊羹の方がさっぱりしてるから水分が多いのかなあ?」
「何か固める物が違うとか?」
「羊羹」と「水羊羹」は材料と作り方はほぼ一緒です。
「水羊羹」は「羊羹」(ここでは練り羊羹のことです。この話しは最後にしますね。)よりも寒天の量を少なくして水分を増やしたものです。
そうすることで、みずみずしくて柔かく、口溶けが良く夏に食べやすい物になっているんです。
今では水羊羹は夏の定番ですが、もともとは「おせち料理」に入れるデザートとして、お正月の時期に作られていたそうです。
本来は冬の和菓子だったんですね。
それから先ほど言っていた「羊羹」のことを最後に。
羊羹の主な材料は「小豆餡」と「寒天」です。
寒天を水に入れてから火にかけて溶かし、砂糖と餡を入れて練りながら煮詰めていきます。
これを「練り羊羹」と言います。
いわゆる普通の「羊羹」ですね。
羊羹には他にもう一種類あります。
「蒸し羊羹」です。
見たことも食べたこともあると思います。
しかし、あまり気にしていないことが多いですよね。
「羊羹」は「羊羹」
みたいな感じで・・・
何が違うかと言いますと、「蒸し羊羹」は寒天ではなく、小麦粉や葛粉(片栗粉)などを混ぜ、小豆餡と砂糖を加えてこねて蒸し固めた物です。
なので「ういろう」は「蒸し羊羹」の仲間になります。
材料が「米粉」を使う点が最大の違いですね。
話しは変わりまして、みなさんは「羊羹」と言うと何を連想しますか?
僕は「賄賂」と「とらや」ですかね。
かなり偏っている・・・
「いやいや、ただの羊羹ですから・・・どうぞお受け取りください・・・」
みたいな感じで・・・(テレビの見過ぎですね。)
羊羹と言えば「とらや」、「とらや」と言えば羊羹というくらい有名ですね。
室町時代に京都で創業した、約480年の歴史を誇る老舗中の老舗です。
僕は会社を退職する時に、奮発して、お世話になった人達にはこの「とらや」の羊羹を渡しました。
もちろん「賄賂」じゃないですよ!(笑)