みなさんこんにちは。シェフ「H」です。

 

色々なおかずが入っているお弁当は、まさに、

 

「食の玉手箱やぁ〜」

 

と言いたくなりますね。（笑）

 

そんなお弁当の代名詞ともいうべき「幕の内弁当」と「松花堂弁当」。

 

この２つの違いは？

 

どんな特徴があるのか？

 

「幕の内弁当」の『幕の内』とは芝居用語です。

 

芝居の次の幕までの休憩時間、幕間（まくあい）のことをいい、この間に食べられた食事が、幕の内弁当の起源といわれています。

 

江戸時代には、庶民の間でも芝居見物が楽しまれていました。

 

幕間に観客が食べた弁当から始まったとか、役者が素早く食べられるよう工夫された食事が広まった、ともいわれています。

 

俵型に区切られたご飯や、一口サイズのおかずが特徴です。

 

それもきっと、手早く食べやすい形として工夫されていったのかもしれません。

 

もう１つの「松花堂弁当」は、四角型の箱を十字に区切った容器に、料理を盛り込んだ弁当です。

 

略式の会席料理としても用いられたりします。

 

江戸時代初期の僧侶であった『松花堂昭乗』が、物入れとして使っていた箱がその起源といわれています。

 

この箱に料理を盛ることを思いついた料亭の主人が、茶会などに使ったところ評判になったそうです。

 

その後「松花堂弁当」として名付けて、それが広まったようです。

 

その料亭こそが、かの有名な『吉兆』なんです。

 

２つとも、「色々なおかずが入ったお弁当」として混同されがちですが、全く違う起源をもつお弁当なんです。