高浜市でランチが自慢のカフェ:salutサリュー

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国花は「桜」 国果は?

みなさんこんにちは。シェフ「H」です。

 

国花(その国を代表する、国民から愛好され重んじられている花)は「桜」または「菊」ですね。

 

国歌「君が代」です。

 

それでは、国の果物である「国果」は何かご存知でしょうか?

 

答えは「柿」なんです!

 

とは言っても、国旗や国歌以外は法律で決まっているわけではないので、断言はできないかもしれませんが、懐石料理の老舗「辻留」の辻嘉一氏の発言から広まったようです。

 

その「柿」ですが、日本には、なんと!約1000種類以上の「柿」があるそうです。

 

「富有」「次郎」「刀根」などは有名ですね。

 

その他にも、「松本早生」「御所」「早秋」「貴秋」「伊豆」「夕紅」「太郎丸」「西村早生」「筆」「禅寺丸」「平核無」「刀根早生」「甲州百目」「蜂屋」「江戸」「富士」「愛宕」「大和」「市田」「法蓮坊」・・・

 

そんな中で、「富有柿」は知名度の高さとその美味しさから、「柿の王様」と言われています。

 

富有柿の発祥の地は、お隣の県、岐阜県の瑞穂市なんだそうです。

 

国の果物とされるだけあって、日本では柿は化石でも見つかっている(岐阜県瑞浪市)ほど古くからあり、なんと人類が誕生する前から日本にあったと言われています。

 

縄文時代や弥生時代の遺跡からも柿の種(お菓子じゃないですよ!)が発見されています。

 

万葉歌人として有名な「柿本人麻呂」(662年〜710年)は、屋敷に柿の木があったので「柿本」と名乗っていたそうです。

 

古事記(712年)や日本書紀(720年)に「柿」の付く人名や地名が多数記載されています。

 

また藤原京(694年〜710年)遺跡から、柿の種子が大量に発見されたり、平城京(710年〜784年)遺跡から、柿の値段を書いた木簡が発掘されたりしています。

 

ちなみにこの頃の柿は「渋柿」なので、「熟柿(じゅくし)」や「干し柿」として利用されていました。

 

当時は主に祭祀(さいし)用に使われていたようですが、それ以外にも重要な役割がありました。

 

それは冬場の糖分補給源です。

 

甘い物がほとんどない時代において、多くのビタミンやミネラルを含む柿は、昔の人にとっては貴重な食べ物だったようです。

 

そして鎌倉時代の1214年に、現在の神奈川県川崎市で突然変異による甘柿が発見されました。

 

現在の「禅寺丸」という品種で、日本固有の柿であり、世界最古の甘柿です。

 

また、この時代の遺跡から柿の並木が見つかっていて、すでに栽培が行われていたようです。

 

その後、江戸時代には品種改良が盛んに行われていたようです。

 

柿は、16世紀にはポルトガルに人によりヨーロッパに渡り、その後アメリカ大陸にも広まり、海外では高級フルーツとして取り扱われているようです。

 

「干柿」は、千利休の茶菓子の用いられたり、関ヶ原の合戦の際、徳川家康に美濃の住職が献上したりと、歴史上にも色々な場面で登場するほど、日本人には切っても切り離せない果物なんです。

 

江戸時代以降は、農家の庭には必ず「柿の木」が植えられるようになりました。

 

秋に、柿の木に柿の実が生っている風景は「日本の田舎」を想像する、象徴的な風景ですよね。

 

柿は俳句の季語でもあります。

 

最後に有名な正岡子規の句で締めたいと思います。

 

「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」

 

柿のいい写真がなかったので、国花の「桜」です・・・(東浦・於大公園)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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