みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
「もってのほか」
みなさん、これ名前なんですが、何の名前かわかりますか?
答えは「食用ぎく(食用菊)」です。
「食用ぎく」とは、おひたしなどに調理して食べるものです。
刺身などの飾りに使われる菊も「食用ぎく」として扱われていますが、本来は「つまぎく」と呼ばれるもので、苦みが強く、通常は食べません。
「キク(菊)」は観賞用として、「桜」とともに日本人に最も親しまれている花といってもいいくらいですね。
なんせ皇室の家紋のモチーフでもありますからね。
現在栽培されている「食用ぎく」には、もともと観賞用に栽培されていたものを、食べてみたら美味しかったので食用にも栽培されるようになったものが多くあるんだそうです。
観賞用の「キク」と区別する点はただ一つ、「美味しいか美味しくないか」・・・
その基準には、「そんな感じなの!」と驚きますけどね。
「食用ぎく」がよく食べられているのは、東北地方と新潟県なんです。
中でも「山形県」の生産量がダントツに多いです。
しかし「つまぎく」も含めた「食用ぎく」になると、「愛知県」がこれまたダントツの全国1位です。
「つまぎくの生産量」は愛知県がほとんどを占めているんです。
対して「食用ぎくの生産量」で全国1位を誇るのが山形県です。
その代表的な品種が、淡い紫色の菊「延命楽(えんめいらく)」という品種であり、「もってのほか」「もって菊」の愛称で広く知られています。
何だ面白い名前ですが、これは先にも書いたように「菊」が皇室の家紋のモチーフに用いられていることに由来するという説もあります。
「天皇の御紋である菊の花を食べるとはもってのほか」
「もってのほか(思っていたよりずっと)おいしい」
そんなことが由来だといわれているそうです。
シャキシャキした歯触りが特徴で、菊そのもの美味しさもありますし、なにしろ料理の色どりがよくなります。
和え物、おひたし、酢の物、天ぷら、お吸い物など、食べ方は色々です。
でもこの「もってのほか」は季節ものです。
秋までおまちくださいね・・・