みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
先日こんな話を聞きました。
日本の土鍋に使われる材料が、中国によって買い占められているため、材料費が高騰もしくは、手に入りにくくなっている。そのため土鍋の生産量が減るのでは・・・
日本の土鍋の生産のおよそ8割が、お隣三重県の四日市市と菰野(このも)町を中心とした窯元で製造されている「萬古焼(ばんこやき)」です。
三重県伊賀市を代表する陶器である「伊賀焼」と並び、国の伝統工芸品に指定されており、発祥は江戸時代中期とされています。
この「萬古焼」が一躍有名になったのは、「割れない土鍋」を完成させたことにあります。
陶磁器は、加熱した時に全体の温度が均一に上がらないことから、膨張差で割れたり、ひびが入ったりしていました。
それを解消するために、昭和30年代に耐熱陶土の研究が始まりました。
その中で、長石の一種である「ペタライト」を陶土に40〜50%配合することで、「低熱膨張性耐熱陶土」の開発に成功しました。
加熱してもほとんど膨張することのない萬古焼の土鍋・耐熱陶器が完成したんです。
以前は鍋物の時だけ登場した土鍋ですが、最近はおしゃれでスタイリッシュな土鍋も出てきました。
ご飯がおいしく炊ける土鍋などが出てきたりして、注目を浴びるようになりましたね。
洋食では一般的に、「軽くて丈夫、熱伝導もよく低価格」ということで、アルミ製の鍋がよく使われます。
銅鍋が一番いいのですが、重くて、なにしろ値段が高い!
星付きのフレンチレストランの調理場には、ピカピカに磨かれた銅鍋がズラリと並べられています。
それを見ると、スゴイ!と思いますが、
「高そう・・・いくらかかってんだろう・・・」 とか「磨くの大変そうだなあ・・・」
などと、裏事情を考えてしまいます・・・
話を戻しまして、土鍋って扱いが大変なんですよね。
欠けたり、割れたり、ちゃんと乾燥させないとカビが生えたり・・・
でも、日本の食卓には欠かせない鍋なんですよね。