みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
「金柑(キンカン)」の美味しい季節になってきました。
少し前にも「金柑(キンカン)ジャム」の話題を書きました。
たまに、
「『キンカン』はみかんの小さいもの」
と思われている方もいるようですが、違いますよ。
キンカンの特徴と言えば、「皮ごと食べられる」ことですね。
ビタミンCが豊富なので風邪の予防や美容と健康に効果があると言われています。
ビタミンCの含有量は、レモンとほぼ同等の量なんです。
皮ごと食べられるキンカンは、ビタミンを余すところなく摂取できます。
他にも、ビタミンCの吸収を良くしたり毛細血管を強くする働きのある「ヘスペリジン」が含まれているビタミンPや、果物としては珍しく「カルシウム」が多く含まれているんです。
発がん抑制物質といわれる「βークリプトキサンチン」や、咳止め効果の「シネフリン」抗酸化作用で動脈硬化を予防するビタミンEなども含んでいます。
そういえば小学生の頃、風邪をひいた時に、祖母が作った「キンカンシロップ」を飲まされた覚えがあります。
過ぎてしまいましたが、おせちにも良く使われますね。
「金冠」と当てて、より暮らしが豊かになるように、という願いが込められています。
キンカンの選び方は、色つやがよく、表皮のキメが細かくなめらかで、実が詰まって重く感じるものが良いです。
そんな「キンカン」の中でも、今注目を浴びている1月下旬に解禁になる「キンカン」があります。
『たまたま』です!
日本一のキンカンの産地・宮崎県では、糖度16度以上で直径28ミリ以上の完熟キンカンを、
『たまたま』
と名付けています。
『たまたま』・・・
思い切った名前!でもインパクトは大きいですね!!
名前の由来は、1988年に宮崎市内の小学生に試食してもらい、アンケートした答えから付けられたそうです。
球状の『たま』のことから、子供たちが発想した名前なんです。
僕が「キンカン」で思い出すことが他にもあります。
もう20年以上前のことだったと思います。
まだホテル勤めの頃、フレンチを食べに行ったときのことです。
デザートで出てきた「キンカン」の美味しさにビックリしました。
フレンチに「キンカン」を使っていたことと、その美味しさです。
お店は「中沢敬二シェフ」の「ル・ジャルダン・デ・サヴール」です。
長野県出身で、地元のおいしい「キンカン」をデザートにしたかったそうです。
当時の人気番組「料理の鉄人」にも出演した実力も人気もあるシェフです。
デザートの「キンカンコンポートとゼリー」を食べて、今までそれほど気にしていなかった「キンカン」の美味しさに改めて気付き、日本の食材を見直すきっかけになりました。
お店裏の畑に1本だけ「キンカンの木」があります。
おふくろが色付いたものだけ取って、ジャムにしていました。
「キンカンの木」には『トゲ』があるんですよ。
キンカンを収穫するのも大変なんです!
よーく見ると、枝が分かれるところに小さい『トゲ』があります!