みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
秋の乾いた風に乗って、どこからともなく甘い香りが届きます。
この香りをかぐと「秋」を感じます。
「キンモクセイ」の香りです。
キンモクセイが花を咲かせるは5日から10日と、桜と同じくらい短いんです。
普段は濃い緑色をした葉が付いている、どちらかというとひっそりとたたずんでいる地味な木なんですが、秋になると小さなオレンジ色の花を一気に咲かせて、甘い香りを放ちます。
そんなキンモクセイの花が咲いたあとに、「実」がなるのを見たことも聞いたこともありません。
これは、キンモクセイは雌雄異株という、「雄の木」と「雌の木」が別れていることが要因なんです。
中国から日本に入ってきたのが「雄の木」で、その後「挿し木」によって苗木が生産されたため、日本にあるキンモクセイはすべて「雄の木」なんです。
日本には「雌の木」がないので「実」が付かないんです。
なので、中国では「雌の木」があるので、「実」を見ることができるそうです。
日本にあるキンモクセイは「挿し木」によってできているので、すべて同じ遺伝子を持った兄弟になるんです。
そのため、同じ地域で生育しているキンモクセイの開花が、ほぼ同時期に咲くと言われています。
キンモクセイの花は寒さの反応して開花するため、桜とは逆で北から順に南下していきます。
ある一定の温度を下回ると一気に開花しますが、キンモクセイの花は非常にデリケートで、大気汚染が進んだり、砂やホコリがたくさん降りかかるような環境では、成長が遅れたり、花を咲かせなかったりするそうです。
日本には「ギンモクセイ」という古来からあるものがあります。
「キンモクセイ」はその変種なんです。
「ギンモクセイ」は白い花で、香りも控えめです。
「キンモクセイ」の方がオレンジ色の花が派手で目立ち、また香りも強いため、キンモクセイの方が人気が高くなってしまいました・・・
実は僕も「ギンモクセイ」は見たことがありませんが、実は近くにあって、気づいてないだけかもしれませんね・・・
写真はキンモクセイではありませんが。