みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
料理名には、人名や地名などがついているものがたくさんあります。
西洋料理ならば、「パリ風」「ミラノ風」「ロッシーニ風」などなど・・・
知らない名前もたくさんあります。
こと日本料理(和食)の関していえば、知らない料理名はたくさんあります。
専門外とはいえ、勉強不足を痛感します・・・
その中で、「衣笠(きぬがさ)」という名前が付いたものがあります。
京都出身のスタッフ「K」からすると、当たり前のような名前なんだそうです。
有名なものは、「衣笠丼」です。
料亭などの高級店で出るような料理ではなく、庶民的なものです。
甘辛く炊いた「油揚げ」と「青ねぎ」を「卵」で綴じ、飯に乗せた丼物です。
字は違いますが「絹笠丼」や「信太丼」と呼ばれることがあります。(「信太」というのは「信太巻き」などが有名で、油揚げを使った料理名に使われています。)
京都発祥のご当地丼とされていますが、中身は大阪などで食されている狭義の「きつね丼」と同じであり、厳密には京都固有の呼び名です。
つまり、大阪では「きつね丼」と呼んでいるものが、京都では「衣笠丼」と呼ばれているんです。
京都市内にある、標高201mの衣笠山にちなんでいるそうです。
真夏に雪景色が見たいという第59代宇多天皇が、衣笠山に白絹を掛けて雪に見立てたという逸話にちなんで「きぬかけ山」とも呼ばれています。
「きぬかけ山」にちなんで、丼に盛った姿をそれに見立て、「衣笠丼」の名前が付いたと言われています。
でも、僕の世代からすると、どうしても「衣笠」といえば、広島カープの「鉄人・衣笠祥雄」がまず思い出されますよね!