みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
「旬」って知ってますよね。
すいません、バカにしているわけではありませんよ。
では、「はしり」って知ってますか?
聞いたことあると思います。
旬の物の「はしり」とは、その季節に初めて収穫され、市場に出回り始めたもののことです。
日本では「初物」は縁起がいいとされたり、新しい物を先取りすることが「粋」とされたりする文化があります。
「初カツオ」や「新茶」などにそれがあらわれていますね。
最近は一年中出回っている物や、行き過ぎて時期が早すぎる物が出回っていることがあります。
やはり、旬よりちょっと早い、「初物」みたいな方がありがたみがあるような気がします。
次はご存知の方も少なくなると思いますが、「さかりもの」という言い方です。
これがいわゆる「旬」にあたります。
一番美味しいときです。
今でいうと、インゲン、キュウリ、ししとう、ズッキーニ、とうもろこし、なす、スイカ、メロン、キウイ、さくらんぼ、鯵、アナゴ、イワシ、カジキマグロ、スズキ、鮎などですね。
たくさん出回るので、値段も安くなり、栄養価も一番高い時期です。
一番美味しいときが一番安いって、すごくいいですよね!
「旬」の物を食べないと損!
もったいないですよ!
しかし、前に書いたブログにもありますが、今年は「梅」が不作でした。
旬にたくさん出回る物が出回りませんでした。
楽しみにしていたのに残念でした。
そしてこの言葉は聞き慣れないと思いますが、「なごりもの」です。
その旬の終わりかけの食材のことです。
この言葉の由来は、「来年もまた美味しく食べられますように」という願いを込めて名残惜しみながら食べるという、日本人の食べ物への感謝の心をあらわしているそうです。
昔料理長に、「『はしり』を使うのは一度だけにしておかないと、価値が落ちる」と言われたことを思い出します。
はしりの物があると、珍しくてつい使いたくなりますが、何回も使うと価値が落ちるし、値段も高く、美味しさは旬の物に劣るから、使うなら一度だけということなんです。
それから、旬が終わっているのにいつまでも使い続けるのもダメ。
それは「旬」の勉強にもなりました。
食材の「旬」を知らないと使いこなせませんからね。
「はしり」の食材を使った時に、お客様にもそれがわかってもらえたときは、「ヤッタ!」と小さくガッツポーズです。
「旬」にも「はしり」「さかり」「なごり」とあるんです。
それだけ日本人は「旬」を大切にしているんですね。
最後に食材ではありますが、生花としてあった物です。
かなり早いですが、これも「はしり」・・・なのかな?
「栗」です。
左に真っ青なイガグリがあります。
店内に飾ってありますよ。