みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
みなさんが使っている台所。
きっと色々な調理道具や調味料などがあると思います。
それらは決まった置き場所があると思います。
仮に誰かが台所を使ったとしたらどうでしょう。
もとの位置に戻してなかったり、置いている向きが違ったり・・・
綺麗に片付けてあっても、きっとわかると思います。
僕たちの使う調理場もそうです。
使う人にとって使いやすいようにしてあります。
その人の好みや癖、体格などにあわせて、その人好みの調理場が出来上がってきます。
みなさんの台所でもそうだと思います。
スッキリとしていた方が好みで、ごちゃごちゃしているのが嫌いな人は、物の少ない、目に見える所にはあまり物を置かないスッキリとした台所。
色々な調理道具や調味料が好きで、たくさん置いてある台所。
人が見るとごちゃごちゃだけど、自分はどこに何があるか把握しているので使いやすい。
僕たちの調理場も、全ての置き場所が決まっているので、動きがスムーズにできるんです。
本当に少しの違い。
塩の位置が違うだけで、大げさに言えば、仕事になりません。
動きの流れがとぎれて、スムーズに仕事をこなすことができません。
ちょっとしたことなら目隠ししてもできるくらいです。
それくらい定位置にあるということは重要です。
オーダーのピーク時には、1つの仕事の乱れがずっと後を引き、ずっと上手くいかないことがあります。
使いたい物が目の前に置いてあるのに、いつもの位置に無いと探してしまいます。
少人数ならまだしも、多くの人が働く調理場は、物も多く、それぞれの物が定位置にきれいに整頓されておいてあります。
それは調理場に限ったことではありません。
全ての仕事場に置いて言えることだと思います。
調理を始めた新人がまずやらされることは「洗い物」です。
これは、いきなり仕事はできないし、せめて洗い物くらいならできるということもありますが、もう1つ大事な事として「物の位置を覚える」という事もあります。
洗って片付けて、物の場所を覚える。
「◯◯持ってきて!」
と言われてもすぐ動けるようにする。
もちろん洗い物にも「こつ」はあります。
新しく入った調理場でも、どこに何があるのかを早く覚えなければいけません。
僕も社内での異動で調理場が変わったときや、フランスで働いたお店でも、早くどこに何があるかを覚えました。
メモして絵に描いたりして・・・
そうすると物を探す無駄な時間が減りますし、仕事上でのコミュニケーション、動きが良くなります。
きっと物の置き場所1つで仕事の効率が変わってくると思います。
例えばある物を取って片付ける。
この作業を見直して置き場所を変えたら「1秒」早くなった。
この作業を1日「5回」するとしたら、1日で「5秒」早くなる。
1ヶ月30日とすると、150秒=2分30秒早くなる。
一年365日で、1825秒=30分25秒早くなる。
それが他の10の作業にも当てはまるとすると、10倍。
1日で「50秒」、1ヶ月で「25分」、1年で「5時間4分10秒」
なんだか話しがそれていますね・・・
でもそれくらい違ってくるんです。
ちょっとした事で。
そうなんです。
僕の言いたかった事は「整理整頓」。
いつも同じ物が同じ所にあるということは大事なことなんです。
オーダーがひと段落したところです。