みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
「熊本産県アサリ」の産地偽装問題が発覚しました。
みなさんもご存知だと思います。
実際の漁獲量を遥かに上回る「熊本県産」のアサリが出回っていた問題です。
アサリを扱う業者が産地偽装は「かなり前から横行していた」と明かしているそうです。
「産地偽装問題」
いつまでたってもなくなりませんね。
僕の中で記憶に新しいのは、北海道の食肉業者による外国産牛肉を国産和牛として流通させていた問題や、有名料亭が食材を偽装していた問題などですね。
正直、
「またか・・・」
と思いました。
地元愛知県は「アサリ」の産地です。
僕も小さい頃は潮干狩りにも行きました。
季節になると、両親が友達なんかと一緒に三河湾に面する吉良町の方によく「アサリ獲り」に行っていました。
「潮干狩り」というより、「アサリ獲り」と言っていましたね。
「潮干狩り」というと、なんだかレジャー感がありますが、本気で獲りに行っていましたからね。
スゴい量を獲ってきました。
でも、獲るのにもお金を取られたり、規定の量を超えると料金を取られるということでした。
そして年を追うごとに獲れなくなっていました。
毎年アサリは楽しみでした。
これでもかというくらいに入ったアサリのみそ汁は、小さい頃からよく食べていました。
一番好きなみそ汁でした。
三河湾のアサリを食べると、他のアサリは食べられなくなると思います。
それくらい美味しいです。
しかし近年、アサリの病気によりほとんど獲れなくなってしまいました。
あんなに獲れていたのに・・・
信じられません・・・
あの頃が夢のようです・・・
そんな地元愛知もアサリの産地ということで、熊本のアサリのニュースはとても人ごとのような気はしませんでした。
熊本のみならず、アサリ業界全体にも影響を与えると思ったからです。
しばらくは、色々な偽装問題も発覚するかもしれません。
それでは熊本県のアサリがどうしてそんなことになったのでしょうか?
一昨年の熊本県で獲れたあさりは21トンでしたが、熊本県産として売られていたのは100倍以上の2485トンもあったそうです!
熊本県でもアサリの漁獲量は年々減っていたようです。
それも偽装問題の一因だと思います。
それから食品表示法の悪用も一因といわれています。
そもそもこの法律が偽装しやすいように作られたような感じもするからです。
食品表示法では、
「輸入品は原産国名を表示する」
とあります。
ただ、アサリなどの水産物には例外があり、
「2カ所以上で育てた場合は、育った期間が長い場所を原産地として表示することを認める」
とあるんですが、これが実は
「長いところルール」
なんて呼ばれて悪用されているようなんです。
どこで長く育てられたかは、外見では判断できないため、偽装がしやすくなっているんです。
今回も、中国産のアサリを仕入れ、実際に中国で育てられた生育期間を短くした証明書を出してもらうように仕入れ先に依頼。
架空の輸入業者や畜養業者を間に挟んで、国外より国内で育った方が長いという書類を作る,といった手口を利用したりしていたようです。
「中国産」では売れないということも偽装の原因の一因でもあると思います。
またアサリを育てる「畜養場」と呼ばれる場所を管理する地元の漁協の現状もそうさせたようです。
輸入アサリを「畜養場」の撒いて、一定期間育ててから出荷する。
そんな業者に貸していた漁協も、悪いとわかっていながら貸していたそうです。
なぜなら毎年減る一方の漁協の収入源の中で、その多くを「畜養場」の貸し賃が占めていたそうなんです。
「儲ける」というより「生き残る」ようなイメージですね。
単なる「偽装問題」では終わらないような問題だと思います。
生き残りのため、法律のゆるさ、お金儲け、需要・・・
色々なものが絡んでいるような気がします。
難しい問題だと思います。
(個人的な考えもありますのでご了承ください)