みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
「そら豆」の美味しい季節がやってきましたね。
スナップエンドウや、グリンピースと共に豆好きには良い季節ですね。(笑)
そんな「そら豆」は、世界最古の農産物のひとつなんです。
原産地は「エジプト」「ペルシャ」「カスピ海南部」など色々な説が出ていますが、ロシアの有名な植物学者であるバビロフによれば、中央アジアか地中海地域としています。
エジプトでは、お墓の棺の中から「そら豆」が見つかっており、4000年前から栽培されていたとみられています。
子供の頃は、そら豆は嫌いではありませんでしたが、それほど好きでもありませんでした。
実家では畑でそら豆を育てていたので、ゆでたそら豆がザルに入って机に置いてあったりします。
僕の小さい頃は、トウモロコシやサツマイモや、取れた野菜を茹でたり蒸したりして、そのままザルに入れて机の上にドン!とおいてありました。
そして食べ終えたそら豆の皮が捨ててあると、臭いんです・・・
それが嫌でした。
大人は美味しそうに食べていましたが、僕はそれほど美味しいとも思いませんでした。
みんなが美味しそうに食べるので、何となく食べていました。
最近は「美味しい〜」と思いながら食べていますね。
先日もお隣の畑で獲れたそら豆をいただきましたが、美味しかったですね。
若いのも美味しいですが、ツメが黒くなったものがホクホクして美味しいですね。
この部分は、豆がサヤにつながっていた部分で、「おはぐろ」なんて呼ばれます。
そら豆はサヤが空に向かってつくことから「空豆」と書きます。
また中国では豆が蚕のまゆの形に似ていることから「蚕豆」と書くんです。
豆板醤(とうばんじゃん)の豆は「そら豆」のことで、そら豆と味噌、唐辛子を合わせて作られます。
またそら豆と言って思い出すのが「ガレット・デ・ロワ」です。
フランスでは、年明けの1月6日のお祭りに合わせて、「ガレット・デ・ロワ」というお菓子を食べます。
「ガレット・デ・ロワ」とは「王様のガレット」という意味です。(ガレットとは丸くて平たい料理やスイーツのことです。)
その中に「フェーヴ」と呼ばれる小さな陶製の人形をひとつ入れます。
それを運良く引き当てた人が、その日の「王様」になるんです。
僕も当たりました!
でも、王様はみんなにプレゼントを渡さなければいけないんですがね・・・
その「フェーヴ」というのが、フランス語で「そら豆」のことなんです。
それくらい身近な食べ物なんですね。
そら豆が店頭に並び始めています。