みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
みなさん「助六寿司」はご存知ですか?
そうです、いなり寿司と巻物を詰め合わせたものですね。
いなり寿司と太巻きは冠婚葬祭の定番。
何かあると、いなり寿司、太巻き、箱寿司を作っていましたね。
でも子供の頃は、江戸前の「にぎり寿司」に憧れてました。
今では「助六寿司」が大好きですね。
箱寿司も、なんと贅沢なものを食べていたのかと思いますね。
それではこの「助六」とは何か?
先に答えを言いますと、「助六」とは、歌舞伎に登場する主人公の名前なんです。
有名な演目「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」に登場し、演目自体の通称にもなっています。
助六寿司由来の1つに、助六の恋人である遊女の「揚巻(あげまき)」の名前にちなんで付けられたという説があります。
揚巻の「揚」を油揚げを使った「いなり寿司」に、「巻」を巻物になぞらえ、この2つを詰め合わせて、揚巻と恋仲であった「助六」の名で呼ぶようになったと言われています。
そのまま「揚巻」ではなく「助六」と言うのが、なんとも言葉遊び好きの江戸っ子というか、洒落の効いた江戸らしい言い方で面白いですね。
また違う説もあり、助六が頭に巻いた紫のハチマキを「海苔巻き」に、揚巻を油揚げを使った「いなり寿司」に見立てたと言われたり、揚巻の名にちなみ、この演目の幕間に出すために作られてた弁当だったとも言われています。
それくらい色々な説があり、話題になる人気作ということかもしれませんね。
そしてもう1つ、「助六寿司」に関しての話題があります。
なんと、この「助六寿司」は、東京と大阪では違いがあるんです。
東京(関東)は、四角(細長い)の「いなり寿司」と、太巻きではなく「細巻きのかんぴょう巻き」なんです。
対して大阪(関西)は、三角の「いなり寿司」と「太巻き」です。
その中間の名古屋は、四角い「いなり寿司」と「太巻き」ですね。
実は関西人のスタッフ「K」は、
「いなり寿司は普通に三角だよ!」
ということです。
たまにデパ地下で見る「三角のいなり寿司」は、関西のお店なのかなあ・・・?
歌舞伎が語源になっている言葉って、現代でも色々あるんですよね。