みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
昆布にも「旬」があるのをご存知でしょうか?
昆布の採取時期は、7月から9月です。
つまりこの時期が「旬」になります。
天然の昆布の約95%は北海道産です。
語源はアイヌ語の「Kombu(コムブ)」から転じたという説が有力です。
夏の暑い時期に取られた昆布は、この後じっくりと天日干しされます。
中には機械で乾燥させるものもありますが、高値で取引されるような昆布は、やはり天日干しをしています。
旨味が凝縮されて、美味しい昆布が出来上がります。
この北海道生まれの昆布がどのように全国に広がっていったのか?
これには北海道と大阪を結んだ北前船が大きく絡んでいます。
昆布の歴史は、実は縄文時代まで遡ります。
縄文時代末期には食用として存在していたと言われています。
昆布が日本中に広く行き渡ったのは、江戸時代に登場した北前船の発展が関係しています。
北前船とは、蝦夷地(北海道)〜北陸など日本海側の各地〜下関〜瀬戸内海〜大阪を航行した船です。
鉄道が登場するまでは、物流、経済を支える海上交通の大動脈として栄えていました。
この船を有していたのは北陸などの日本海側の人々でした。
大阪から酒、塩、雑貨などさまざまな日用物資を積み、母港をはじめ各地に寄港し、商品を売って安く仕入れていました。
そして北海道に到着すると、昆布やニシン、数の子などの海産物を仕入れ、大阪まで各地で売買しながら運んでいたんです。
まさに「商社」ですね。
大阪が「天下の台所」と言われるようになったのも、きっとこの「北前船」のおかげだったんでしょうね。
富山、大阪、沖縄などの昆布とはあまり関係がない地域にも、昆布を使った郷土料理があるのは、北前船があったからなんでしょう。
関西で昆布を使った出しが好まれているのも、これらの理由があるようです。
北海道というと、なんとなく「寒い」「冬」のイメージもあるので、「昆布」も「冬」のものだと思われがちですが、旬は「夏」なんですね。