みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
前回は「水道水」のことを書きましたが、今回は「水」つながりです。
先日行われたボクシングの試合でのことです。
試合前日の公式計量後に11キロも増量した選手が話題になりました。
色々な格闘技がありますが、この公式計量に向けて、多くのファイターが「水抜き」と呼ばれる行為をします。
近年、この水抜きが健康リスクや勝敗を左右するカギとして議論を呼んでいます。
それでは、この「水抜き」とはどんなものなのか?
多くのファイターは試合1ヶ月前には減量を始めます。
この時期の減量は摂取カロリーよりも消費カロリーを大きくし、筋肉量を出来る限り維持しながら体脂肪を減らしていきます。
もう1つは、急速減量です。
計量直前に行われ、「水抜き」や「質量の軽い飲食物を摂る」方法が主になります。
このうち「水抜き」とは、体重の50%以上を占める体水分を試合直前に一時的に減らすことです。
代表的な「水抜き」の手段としては、半身浴、サウナ、暖房の利いた室内やサウナスーツを着用した状態での有酸素運動があげられます。
急速減量によって落ちた体重は、計量後に飲食物を補給すると、あっという間に戻ります。
そのため、水抜きで一気に体重を落としたファイターは、規定体重よりもはるかに重い体重で翌日の試合に望むことができます。
また、健康に与える影響は、急性的なものとして、体水分が減ることによって血液の粘度が増え、急性心血管イベントが発生するリスクとなります。
体温調整能力が低下するため熱中症に陥りやすく、免疫力低下によって体調も崩しやすいです。
さらに、水抜きは、急性腎障害と診断されるレベルに腎臓に負担を与えますが、試合の度に水抜きを繰り返すことで、慢性腎障害にもなるリスクが指摘されています。
その他にも、繰り返される体重の増減が引退後の肥満のリスクにもなるようです。
一般人が普段の生活で、過度な水抜きは健康に「百害あって一利なし」の行為になるので、やらない方がいいですよ!
むしろ、健康のために水分はきちんと摂取した方がいいですね。