みなさんこんにちは。シェフ「H」です。
最近よく「骨付きの鶏もも肉」を使います。
仕入れの買い出しで見つけて、
「たまにはこれ使ってみるか。」
と一度使ってみたら、やはり骨付きは美味しく仕上がったので、手に入った時は気に入ってよく使っています。
少し前にも「骨付き肉」がなぜ美味しいかということを話題にしましたが、骨からダシが出るので、煮込んだりするとより美味しくなります。
出汁って「骨」とか「ガラ」とかから取りますからね。
この「骨付き」の鶏肉を使うと昔を思い出すんですよ。
まだ学生時代にレストランでバイトをしてたんですが、そこのシェフが、
「練習だから、この丸鶏をおろしてみろ。」
と練習がてら丸鶏を捌いていました。
もちろん最初はできません。
しかし何回もやっているとできるようになります。
数をこなすのは大事です。
おかげで丸鶏を捌くことができるようになりました。
他にも魚を下ろさせてくれたり、牛ヒレ肉を掃除させてくれたりと、若僧に色々とやらせてくれたことにとても感謝しています。
小さなレストランなどで働くと、色々な仕事をしなければいけないので、何でもできるようになります。
しかし大きなホテルなどで働くと各部門に分かれているので、例えば肉のポジションになったら、肉しか扱わないということになるんです。
もちろんお肉の扱いに関してはプロです。
しかし、例えば魚が下ろせなかったりするんです。
何年もやっていれば、色々なポジションを回ってできるようになりますが、若いうちはできないこともあります。
話しがそれてしまいました・・・
丸鶏だけではなく、牛や豚、魚もそうですが、捌くコツは「骨格」を知ること。
どんな風に骨が付いていて、どこに肉がついているのかを知ることです。
そうすると捌けるようになります。
そして肉の解体には「関節」が重要になるんです。
まだ下手クソに捌いている頃、そのバイト先のシェフに言われたことが印象的で、今でも覚えています。
「骨の付き方がわかれば、捌くのは簡単だよ。俺は多分人間も捌けると思うよ。」
え!・・・
ちょっと衝撃でしたが、今では、
「なるほど」
と思いますし、多分僕自身も、ある程度は人間もできると思います・・・
すいません、なんだかエラいこと言ってますね。
犯罪の匂いが・・・
そんなことありませんので、怖がらないでくださいね。
ちなみに今使っている「骨付き鶏肉」は『恵那どり』という鶏です。
特に銘柄鶏とかではありませんが、全飼育期間に於いて抗生物質、抗菌剤を一切使用しないで育てられています。
また乳酸菌を飼料に添加していることにより、腸内を整え健康に育ちます。
1坪当たりの飼育羽数を制限して、ストレスのないようにしている。
などの特徴があるのもです。
たまに限定フレンチのメニューで選んでいただくことができるので、もし当日メニューに入っていたらどうぞご賞味くださいね。